【8月19日 AFP】中国政府は、香港に隣接する本土南東部の都市、深セン(Shenzhen)の開発計画を発表した。19日にこれを報じた国営メディアは、深センがいずれ香港よりも「良い場所」になることを目指すと書いている。

 金融の中心地である香港は、数週間にわたる抗議集会やデモ、占拠運動により危機的状況に陥っているが、中国政府はこれを深セン開発の好機にしようとする考えがうかがえる。

 国営メディアは19日、政府指針の要旨を掲載。これによると、深センを「中国の特性を備えた社会主義」の試験地域にするという。

 詳述はされていないものの、この指針では2025年までに、深センの「経済力と発展レベル」を世界最高水準に引き上げるという目標を掲げている。

 また香港・マカオ(Macau)との統合を進めていく方針も示し、2035年までに深センがあらゆる経済競争面で「世界をリードする」都市になるとしている。

 一方で共産党機関紙、人民日報(People's Daily)系の環球時報(Global Times)は専門家らの話として、香港が深センに後れを取る可能性を示唆している。

 専門家の一人、北京航空航天大学(Beihang University)の田飛龍(Tian Feilong)副教授は同紙に対し、香港が政府の開発計画に参画する準備が整っていないならば、「香港の発展は将来非常に限られたものとなり、一方の深センはずっと高速で進歩を遂げるだろう」という見方を示した。(c)AFP